予備校などでは口うるさいほど言われる「予習⇒授業⇒復習」の学習3ステップ。答えが合っていれば良いわけではありません(とくに、問題集を解くとき)。そこで、今回は第2ステップ「授業」の目的や「復習」を意識したおすすめの聞き方(方法)について話していきたいと思います。
もくじ
「解けない」を「解ける」に変えるのが授業
解き方は1通りとは限らない
たとえ答えは同じでも、その答えにたどり着く方法は1つとは限りませんよね。例えば、場合の数と確率を例にして考えてみましょう。「2つのサイコロを同時に投げて少なくとも1つの目が奇数の場合の確率はいくつですか」という問いにあなたはどう答えますか?もちろん、答えは3/4とただ1つですが、それに至るプロセスは色々あると思います。
すべての場合を書き出してみる人や、「まず奇数が1つの場合を考えて、次に両方とも奇数の場合を考えてみよう」と場合に分けて考えてみる人もいることでしょう。でも、この場合の「正しい解き方」とは、「両方とも偶数の目が出る場合の確率を考えて、1から引く」方法です。
すべての場合を書き出してみるなんて論外ですし、二つ目のやり方であってもサイコロの数が増えてしまえば、すぐにお手上げ状態になります。
解き方が正しいか確認
「解けない」ところを「解ける」に変え、試験に役に立つプラスアルファの知識などを習得する作業こそが「授業」です。ここで、注意してほしいのは、「分からない」を「分かる」ではなく、「解けない」を「解ける」というところです。
「解ける」と、第1ステップの「予習」で明らかにしてきた「分かる」は違います。たとえ予習のステップで問題が解けて「分かる」状態だったとしても、それが「正しい方法で」解けていなければ「解けた」とは残念ながらいえないからです。
本番はそれでも良いのですが、勉強の段階ではダメです。テストの時間は有限なわけですし、応用がきかない解き方を学んだところで再現性に乏しいわけですからね。
だからこそ、「分かった」問題であっても、解き方も合っているかを確認することを怠ってはいけませんよ?
どう解いたかをメモしておくと安全
ただ、予習と授業にタイムラグがある場合、「どのように解いてきたのか」までノートなどに記しておくと安全です。人間の記憶って意外といい加減なので、本当は解き方が違っていたはずなのに、先生の授業を聞いているうちに「あ、私もこんな感じで解いていた気がするなあ」となりかねませんからね。
問題集を解くときも同じ
問題を始めて解くときを「予習」、解答解説を読むときを「授業」と置き換えれば、問題集を解くときにも当てはまります。「答えが合ってたからおしまい。」ではなく、解説を読んで解き方が合っていたかを確認することを忘れてはいけません。解き方も合っててはじめて「解けた」といえるからでしたね。
ただ、「予習」と「授業」の間にタイムラグがほとんどないので、わざわざ解き方をメモする必要はないと思います。ただし、何問かまとめて一気に答えを見るなどという場合は話は別ですけど。
復習しやすい環境を作っておく
後回しにしない
「授業」のステップで分からないところはその場で分かるようにします。授業を受けてもよくわからなければ、積極的に先生に質問してください。もし先生に質問しづらいのならば、最悪インターネットでもいいのですぐに解決しましょう。意外とすぐに解決することが多かったので、私はよく知恵袋を活用していましたよ(笑)。
授業を受けたすぐ後に分からないのならば、後で復習しても解けるわけがありません。「後でやればいいや」と後回しにすればするほど、作業量が増えてしまい、復習がますます億劫になります。
また、歴史や法律といった講義形式の授業では、板書を写してボーっと授業を聞いているだけではなく、授業中になるべく覚えておくとよいですね。
ワンポイントコメントで復習の作業量を減らす
私と同じように復習が苦手な人は、復習の作業量の多さを少しでも減らしてあげるといいですよ。例えば、数学などの問題で(3)の問いが解けなかった場合、(2)までの答えなどをテキストの隅っこに書いておきます。これで、いきなり(3)から解き始められるようになりますよね。
また、解けなかった問題を解けるようになるためには「何を覚えて何を理解すればよいのか」をワンポイントでまとめたコメントを書き込んでおくことをおすすめします。何をやればいいのかが明確になるので復習がしやすくなるだけでなく、本当に「分かった」のかを確認しておくことができますからね。詳しい書き方などはまとめノートをご覧になってください。
ただし、テキストや問題集に書き込むときは、汚くしない方が無難です。汚いとどうしても見たくなくなってしまうので、復習が億劫になりがちなので注意が必要ですよ。
まとめ
学習の3ステップ「予習⇒授業⇒復習」の「授業」とは、「解けない」ところを「解ける」に変える作業で、問題集を解くときも同じことがいえます。正しい解き方で解けてはじめて「解けた」といえるので、たとえ予習で「分かった」問題であっても、解き方も合っているか確認することが大切です。また、ワンポイントコメントなど復習しやすい体制を整えておくといいですね。