受験数学で私が培ってきたまとめノートをデジタル化しておこうと思い立ったので、こちらに晒します。難関校向けの内容が多く含まれていると思うので、ご注意ください。また、意味不明な箇所は飛ばし読みしてください(汗)。そのような場面の問題に遭遇したら分かるかと思います。(分からなかったらごめんなさい(;^ω^))
もくじ
よくある?ケアレスミス事例
公式のミス
慣れていないことが一番の原因ですので、問題をたくさん解いて慣れることが一番の対策方法です。
・2次方程式の解の公式その2(1次の係数が偶数のときの簡略化バージョン)で1次の係数を半分にし忘れる。ー4acのままにする。
・部分積分の符号ミス
・回転体のπ(パイ)を忘れる
・半角の公式で1/2忘れ
・三角形の面積で1/2忘れ
などなど…
計算ミス
・約分忘れ
・各種ケアレスミス→計算ミスを99%なくすには?
・0で割らないような条件の記載漏れ
・不等号と-(不等号の向き反転)
・二乗と正負
・√と正負
置き換えミス
・文字を置き換えたとき、変域の変化を忘れる
・余事象で、1から引き忘れる
・距離などを求めるとき、2乗したのに平方根を取り忘れる
・置き換えに自分で勝手に使った文字を戻し忘れる
条件のミス
・真数条件
・根号内は≧0
・方程式の文字(二次方程式なのに2次の係数aが0ではいけない)
・媒介変数の実数条件
・平均値の定理では、a≠b
・相加相乗の最小値条件
・長さは正
・三角形の成立条件
・微分可能か分からないのに微分
問題文のミス
・円弧や、円と三角形は、中心角θがπ超えるか?
・xy座標の取り違い
・単位忘れ
・文字の条件(>0?実数?定数?)
・半径?直径?
記述のミス
・写す際の式の書き違え
・十分性の説明をとばす
数学のコツ
知っていると便利な裏技
詳細は各自で調べてください。
・トレミーの定理
・モンモール数
・正射影ベクトル
・バウムクーヘン積分
・マクローリン展開
・ガウスグリーン定理
・ロピタルの定理
・Williasの公式
・高速部分積分
・三項間漸化式の予想解
・サラスの公式
記述の表現
・aとbの”間”にある(どちらが大きいか示す必要がない)
・間を空けて書こう→後から追加しやすい
計算過程
・正負が明らかでない文字をかけるときは、文字の2乗をかける
・積分は奇関数と偶関数を意識
典型発想集
もちろんこれを覚えたからといって、スラスラ問題が解けるようにはなりません。やはり問題数をこなして慣れていくしかないですが、引き出しを増やしておくのは難問を解く上で欠かせない要素のひとつになってくると思います。
※教科書レベルの内容は除外してあります。あまりにも汎用性に乏しいものも同様に除外してあります。
全般
・今までの設問にヒントがないかなど出題者の意図を考える
・手が止まったら、計算ミスや設問の読み違いなどを考えてみる
・置き換え
(1)複雑な式を単純にする(1:1対応するか確認)
(2)範囲を単純にする 1→2を0→1など
(3)累乗にnや厄介な数がある→logとれ
※定義域や変域が変わることに注意が必要です。
数と式
1.x、y項の二変数の場合
・2x2+5xy-3y2-13x+10y-7
-13x+10yを除いた部分で一旦因数分解してみる。成功すればそれが答えのことが多い。
2.3次以上の方程式の因数分解
・次数の低い文字でくくってみる
・因数定理
※xの最大次数の項の約数を分母に、定数項の係数の約数を分子にしたものの組み合わせが因数である可能性が非常に高い。2x3-x2+x-1=0としたら、最大次数の係数2の約数1,2,-1,-2と定数項1の約数1,-1を組み合わせたもの。1/1,1/2,1/-1,1/-2,-1/1,-1/2,-1/-1,-1/-2。つまり、1,-1,1/2,-1/2のいずれかの可能性が高いということ。
3.割り切れる⇔因数定理を活用
・f(x)=(x100+1)100+(x2+1)100+1は、x2+x+1を因数にもつか
→x2+x+1の解ωは因数定理より、f(ω)=f(ω2)=0となるから割りきれる。
4.α+β、αβなど対称式に注目
・sint+cost=kとおく変形
不等式
1.不等式の証明
・f(x)>m⇔f(x)-m>0⇔関数f(x)-mの最小値>0
・aより大きいかなどの問いにも応用できる
2.Pnが階乗や累乗の形のときのPnを最大にするn
・Pn+1/Pn>1かどうかで判断
3.関数の差は平均値の定理
4.相加・相乗の変形
x2+1/√x=x2+ 1/(4√x)+ 1/(4√x)+ 1/(4√x)+ 1/(4√x)
≧5(5)√…
・分子と分母に文字がある項どうしの和は上記のように分離
整数
1.整数問題の鉄則
・実際に手を動かして実験してみること。何の倍数が条件など色々見えてくる。
2.二項係数は二項定理を思い出せ
3.倍数系は合同式が活躍
4.ガウス記号[x]はx-1<[x]≦xと不等式で挟んで考える
5.互いに素の証明
・a=kp、b=mp(pは素数)と置き素数の性質で背理法を利用し、1より大きい公約数がないことを示す
・aとbが互いに素なら、一方の辺にaを、他方の辺にbを集めて、a=k×bの形を意識
6.整数問題はa2-b2が好き
証明
1.~でないを証明→背理法(無理数なども)
2.全てのxで成り立つ→あるxで成り立つ必要条件を求め十分性を証明
3.全てのnについて…→帰納法
4.漸化式系の証明→帰納法
5.(x2+y2+z2ーxyーyzーzx)(x+y+z)=x3+y3+z3ー3xyzの形は頻出
・とくに、z=1のときなどは気づきにくいので注意です。
数列
1.未知の数列は具体的に実験して一般項を予想し、帰納法で証明
2.数列は差を狙って変形
3.Σの解消。階乗系やn乗系を階差で消すように分解
・Σ(k=1→n)kn+1-k(k-1)r=kr+1-{(k-1)+1}(k-1)r
=kr+1-(k-1)r+1-(k-1)r
確率
1.確率漸化式(2項)
・基本はpn+1=pn+(1-pn)の形
・最初の状態か直前の状態で場合分け
2.余事象の活用
複素数
1.困ったらとりあえずx+yi(x,yは実数)で愚直に考える
2.累乗系はド・モアブル形
3.距離や絶対値系は|z|の形で考える
図形と方程式
1.接する
・f(a)=g(a)かつf'(a)=g'(a)が基本
・円と直線が接する⇔距離が半径と一致⇔距離の最小値が半径と一致
・傾きをmと置いて距離の公式を使うと煩雑になる
・何でも判別式Dを使わない(二次関数絡みなら判別式でよい)
2.円関係
・円の中心を結ぶ
・直角⇔内積0⇔直径の円周角
・定角⇔円周角
3.距離と偏角だけの式は、極座標の利用を考える
4.定数のある方程式
・定数のみを右辺に分離して、f(x)=a(定数)の形に持ち込み、y=f(x),y=aを比べる
・実数解の個数を求めるときなどにも上記は有効
5.領域
・通過領域は、文字定数が存在する条件を考える(2015東大など)
・絶対値を含む方程式や不等式の示す領域は「平行移動で絶対値内部を単体にする(|x-2|なら2平行移動して|x|に)」、「x軸対称、y軸対称、原点対称」に注目
6.二次曲線(楕円、双曲線、放物線)の問題
・媒介変数表示で解く
・x2/a2+y2/b2=1上のPをP(ap,bq)とおくことで拘束条件をわかりやすくする
7.2変数関数の最小値や最大値を求める
・予選、決勝法。まず1変数を固定して考え最小値などを求め、その後に固定した変数を動かして考える。
・3変数関数は一文字を固定して2変数で考えられる
8.楕円が出てくる問題で面積を求める場合など→円に拡大して考える
・楕円が円になるようにx軸もしくはy軸を拡大する
・傾きや長さは拡大前後で変化するので注意
・y軸をb倍に拡大したのなら、拡大後の面積の1/b倍が拡大前の面積となる
9.座標の要素が強い場合の三角形の面積
・各頂点の座標を(0,0),(a1,b1),(a2,b2)とすれば、S=1/2×|a1a2-b2b1|
10.図形の折り返し
・対称性
・折り返しは合同
極限
1.1ーcosxは,1+cosxをかける
2.発散速度を考える
・logx<x<axの順に発散速度が速い
・lim(x→∞)xe-xなら、xよりもe-xの方が発散速度が速いので、e-x→0が優先。
3.平均値の定理の利用
・|Xn-a|=|Xn-1-a|
4.limとΣをみたら区分求積法を意識
5.三角関数の極限
・lim(θ→0)sinθ/θ=1を意識
・範囲を0→πに変えて考えてみる
・絶対値1以下を利用
・(sinx)2など→倍角の発想
・cos(nπ)ならnを前に出して、(-1 )nにする
6.区間をn分割
・∫(0→nπ)→Σ(k=0→n-1) ∫(kπ→(k+1)π)
・x-kπ=tなどで置換し∫(0→π)に帰着
7.はさみうちか追い出しで求めるのが多い
・極限を予想
・1/n→0など頻出
・極限値を予想してそうなるように不等号ではさむ
・0収束予想なら|x|≦1も頻出
積分
1.Williasの公式で(sinx)5なんかも楽
・an=(n-1)/n * an-2
2.重複部分
・回転軸との差で考える
3.円柱切断部分の表面積
・底面の円周は直線
・原点から円周上一点までの距離をx軸にとるといい
4.定積分の証明問題は定積分の中身比べる
・わざわざ定積分の形にしておく意図とは?
空間図形
・平面で切って考える
・共通体積→上や横から見て式を考えて積分
・図形を式で表す
・回転体は切り口を考える(中心から距離最長ー距離最小)
・解析幾何(2014東大など光の影問題)
・空間図形を方程式で表して正射影
・等面四面体は直方体に埋め込む
典型問題
・複素数のRe部の無限和、Im部の無限和(2013慶応など)
・サイクロイドはベクトル和
・円錐の回転体